「じれったい」と「はがゆい」の違いを考えてみた

以前も簡単に書きましたが、

わたし今ベトナムで日本語を教えているんです。

毎日「先生!」とか呼ばれちゃってるんです。

いやー、3年やってるけど、全然先生って感じじゃない。

毎日学生たちとおっぱいの話しかしてない。

上司に見られたら終わる。

 

 

でね、学生がほんとすごくて、

ひらがなもカタカナも漢字も書けるし読めるし、

言葉もいっぱい知ってるし、

ベトナムと日本の文化の差とかも日本語で討論できる。

 

 

すごすぎてビックリするレベル。

 

 

漢字なんてさ、日本人でも忘れちゃってるじゃん。

でさ、得意げに黒板に書いた字を、

「違います」

とか言われるわけ。

 

とりあえず、ごめんごめんって軽く謝るよね。

で、正しい字をきいちゃうよね。

教えてっつって。

で、「すごい!よく知ってるねこんな難しい漢字!さすが!よっ、日本一!」

とか褒めるよね。

学生、苦笑だよね。

 

 

こんな感じで毎日わきあいあいやってるんですが。

やっぱりとんでもなく難しい質問とかくるんですよ。

いや、難しくないのかな、ほんとは。

わたしに言わせればね、激ムズ。

ムズもムズ、学者しか知らんよそんなものは、っていつも思う。

 

そういう時はね、もう正直に。まっすぐ。目を見て言うよね。

「すみません、わかりません。」って。

どっちが学生かなって、いつも思う。

 

で、授業後に軽く泣きながら調べるんですね。

学びが多い。

ほんとどっちが学生かなって、いつも思う。

 

 

そんな日本語の知識をね、ここに書き留めておこうかなと。

忘れちゃうから。

忘れちゃうと、同じことで、また恥かくことになるから。

しかも、あーこれ、前調べたのに、わかんないやー

ってなると、つらさが倍。

学生からだけじゃなく、自分からの信頼も地の底コース。

 

それを避けるべくですね、記録しようかと思う次第です。

 

 

本日のお題は、

「じれったい」と、「はがゆい」の違い!!!

明日の授業で「じれったい」が出てくるので、

せんせー、「はがゆい」とどう違いますかー?

ってきっとスマートモンスターたちが聞いてくることでしょう!

 

 

知るか

ってまずいつも心の中でつぶやいてから、始めます。

 

 

まず、辞書!辞書センパイはだいたいのこと知ってる。

そして惜しげもなくその知識をわたしたちにくれる。

ほんと辞書センパイ偉大。リスペクト。

 

 

大辞泉センパイはこんな感じで言ってる。

 

*じれったい

 

物事がなかなか思うようにならないので、いらいらして気持ちが落ち着かない。はがゆい。もどかしい。

 

 

 *はがゆい

 

思いどおりにならなくて、いらだたしい。もどかしい。

 

でた。大辞泉センパイ時々この技くりだしてくる。

秘儀『同じ意味が書いてある』

ちきしょう。

 

じゃあ「もどかしい」はどうかしら。

 

*もどかしい

 

 思うようにならずいらいらする。じれったい。はがゆい。

 

 

でた。大辞泉センパイのここ一番の技。

奥義『言い換えてるだけで結局意味は書いてない』

ちきしょう、全部のせかい。

 

そこで類語例解辞典センパイにバトンタッチ。

いや、わかんなかったんで大辞泉センパイにきいたら、

類語例解辞典センパイにきくように言われたんですよー。

 

そして類語例解辞典センパイの回答

 

「もどかしい」は、急いでいるのに時間がかかりそうなために、「じれったい」は、自分の思うように進まないために、「歯がゆい」は、他人のすることが時間がかかったりうまくできなかったりしているために(中略)それぞれにいらいらする状態である。

 

いやーさすがセンパイっすねー!すげー、俺カンドーしちゃった!

俺もいつかセンパイみたいになれっかなー!無理か!無理っすよね!はは!

めっちゃわかりました!

まじありがとうございました!

 

 

って良い顔して帰ってきてから、自分考察の始まりです。

 

 

ふむ。

「じれったい」は、思うようにすすまないことに対するもどかしさ。

「歯がゆい」は他人のすることがうまくすすまないことへのもどかしさ。

ってことね。

 

 

例文をつくってみる。

 

「彼になかなか話せなくて、じれったい」

って言ったら、状況的にね、話せない感じする。

話したいことがあるんだけど、彼が昨日のサッカーの話に夢中で、

なかなか話しだせなくて、モヤモヤ。こんな感じがする。

 

「彼になかなか話せなくて、はがゆい」

って言うと、話したいことがあって、タイミングもあるんだけど、

勇気が出なくて話しだせなくてモヤモヤ、な感じがする。

 

 

ネクスト。

「じれったい」は良くても、「はがゆい」はちょっと△みたいなときと、

その逆のときを、考えてみる。

 

 

「彼があの話をなかなか上司に切り出さないので、見ていてじれったい」〇

 

「彼があの話をなかなか上司に切り出さないので、見ていてはがゆい」?

 

 

 

「パソコンが立ち上がるのが遅くて、じれったい」〇

 

「パソコンが立ち上がるのが遅くて、はがゆい」?

 

 

 

「何度練習しても、この高音がうまく出せなくて、じれったい」?

 

「何度練習しても、この高音がうまく出せなくて、はがゆい」〇

 

 

うーん。

「じれったい」は、他の人とか事の関係で、思い通りにいかないときに使うといいかなって感じがする。

「はがゆい」は、自分の気持ちとか能力的に、思い通りに運べないとき使うといい感じがするなあ。漢字で書くと歯痒い、痒いのはたぶん、自分の歯だもんね。

「もどかしい」は、どの例文に使っても良さそう。一番便利?

 

 

と、考えてみましたが自信ゼロ!!!

あー、明日の授業で聞かれませんように。

あてられませんように。

ほんとどっちが学生かなって、いつも思う。